
2018年は、災害が非常に多い年でした。農林水産省の調べによると、豪雪、7月豪雨、台風21号や24号における農林水産関連の被害を合わせると、総額約4218億円! そのうち農作物等の被害総額は約779億円であることがわかっています。
そうしたなか、ふるさと納税のお礼の品として、災害により被災してしまった農家の農作物を「訳あり」として提供することで、被災農家の救済につながっている事例があります。「訳あり」となった農作物は、通常の市場ではほとんど値がつかないか、売れないため、廃棄されることもあるといいます。こうした「訳あり」の農作物をふるさと納税のお礼の品にすることにより、寄附者は農家が大切に育てた農作物を貰えると同時に、被災農家の支援ができ、被災農家は売れるはずがなかった農作物分の収入を得ることができるというわけです。
これまでに、実際に「訳あり」な農作物がお礼の品になった事例をご紹介しましょう。
福井県坂井市「にっこり美梨ちゃん」と「美梨カレー」

2018年9月4日に発生した台風21号の被害によって、収穫前の梨が6000個以上被害を受けた。農家から要請を受け、坂井市は市場に出荷できなくなった梨を傷あり梨「にっこり美梨ちゃん」として、ふるさと納税のお礼の品として登録。約1800個の訳あり梨を全国へ発送した。痛みの激しくお礼の品としても送れなかった梨については、市内の事業者が連携し合い、新たに「若狭牛 梨カレー(美梨カレー)」として、お礼の品に登録された。
山形県天童市「好ひょうEKB(えくぼ)リンゴ」

2014年8月、収穫目前のリンゴが、天童市を中心に降ったピンポン玉ほどの雹により被害を受けた。被害総額は10億円超え。そこで、雹によって受けた傷をえくぼに例え「好ひょうEKB(えくぼ)リンゴ」としてお礼の品にしたところ、年間で6800万円もの寄附が集まり、被害を受けた農家などの支援に活用された。
秋田県湯沢市「てんさいさくらんぼ」

2017年5月、秋田県湯沢市に直径2センチほどの雹が降り、地域の生産者が丹精込めて育てた収穫目前のさくらんぼが大きな被害を受けた。少しでも農家を救済するため、市は「てんさいさくらんぼ」と名付け、ふるさと納税のお礼の品として登録。さくらんぼと一緒に被害の状況を書いた手紙を全国へ届けた。
埼玉県深谷市「ウェ~ブねぎ」

2017年10月に発生した台風21号の直撃により、折れてしまったと思われたねぎ。しかし、強い生命力によって曲がったまま土の中で成長を続けた。曲がってしまったねぎは通常の価格での販売は難しく、お礼の品として登録。生命力あふれるねぎとして「ウェ~ブねぎ」と名付けられ、埼玉県深谷市から全国へと届けられた。
~日本全国を襲った自然災害の恐ろしさを改めて思いだすとともに、転んでもただでは起きない農家の皆さんのど根性を垣間見ましたね。職人さんの忍耐力にもつながるような気がします。『ふるさとチョイス』(https://www.furusato-tax.jp/)をチェックをしていると、ほかにもユニークなふるさと納税のパターンが盛りだくさんですよ。